この時期の高校1年生の扱い方

成績Ap 教科書ナビ 公式ホームページ

この時期の高校1年生の扱い方

新着情報news

成績Ap 教科書ナビ 公式ホームページ > 新着情報一覧 > コラム > この時期の高校1年生の扱い方
この時期の高校1年生の扱い方

この時期の高校1年生の扱い方

2020年1月6日

教科書ナビユーザーの皆様

明けましておめでとうございます。TripleWinの長澤です。
昨年は、ユーザーの皆さまには大変お世話になりました。2020年、教育業界も大きな転換期を迎えますが、我々もこれまで以上に時代の流れを敏感に感じながら、これまでと変わらず、皆様のお役に立てるサービスををご提供出来るように努力していきたいと思っておりますので、本年も何卒宜しくお願い致します。


さて、今回のテーマは、この時期の高校1年生の扱い方についてです。
日々のカウンセリングや、生徒面談の参考にして頂ければ幸いです。

高校2年生が在籍されている教室では、そろそろ高3に進級してからの受験態勢についてのお話しが、教室でも出てくる時期ではないかと思います。
具体的な志望大学や学部も絞られてきて、指定校推薦の基準には届きそうか、受験科目はどれを軸にいくか、AOであれば何が試験で問われるか…等々、生徒さん一人ひとりで状況も変わってくる時期です。
つい先日高校に入学したかと思った生徒さんが、自分の夢や将来の展望等を語る姿を見て、その成長を感じられる瞬間でもありますね。この仕事の醍醐味ではないでしょうか。

さて、その下の高校1年生はいかがでしょうか? 

この時期よく耳にするのは、「高1生のモチベーションが上がらない」「部活や遊び等に追われて通塾頻度が下がってきている生徒がいる」「目標(大学受験)までが遠いのでそのイメージが湧いていない」…etc.

これを放置しておくと、最悪退会という結果になってしまいます。

百歩譲って、退会して他の塾や予備校に転籍するのであればまだしも、そのまま塾には通わなくなり、学習量そのものが大きく減ってしまう生徒が多いのも高校生の特徴です(中学生であれば大抵他の塾に行きますよね?)。そのまま高3になる時まで何もしなかったら…進路の選択肢が大幅に減ることは容易に想像がつきます。

では、そうならないようにするためには何が出来るでしょうか?

私は、このヒントの一つは中学生の指導の中にあると思っています。

中学から高校に進学すると、どうしても我々は彼らを一つ上に“上がった”と捉えがちです。まして厳しい高校入試を一緒に乗り越えたのだから、大きく成長して大人になってきた…とも思うはずです。しかし、実際は(こと受験に関しては)、一旦リセットされてしまうことがほとんどではないでしょうか。つまり、もう一度中学1年生の意識に逆戻りしてしまうということです。

当たり前ですが、大学の名前もまだあまり知らず、学部や学科の知識もなく、将来の目標も明確には定まっていないのであれば、むしろそれは当然とも言えます。中1生が、高校のことがよくわからない(または断片的にしかわからない)というのと同じですね。焦る必要はなく、徐々に知識を増やし、意識を上げていけば良いと思います。

しかし、そうこうしているうちに、何人もの生徒が、先ほど上げたような症状に陥ってしまうことがあります。これは、中学生と高校生の大きな違いの一つですが「内申点(定期テスト)が入試に直結しない」ことが非常に大きな要因だと考えられます。

中学生であれば、内申点が高校入試の重要な合否資料にされることがほとんどです。中1生でも、自分が取っている成績(内申点)でどの高校を受験出来そうかは、ある程度理解出来ます。なので、先生方も「○○高校に行きたかったらあと5を○個つけよう」とか「3をなくせばあの高校に届くかもしれないから頑張ろう」等の声をかけて、生徒さんのヤル気を引き出しているのではないでしょうか。

しかし、高校生になると、そこは必ずしもリンクしなくなります。極端な話、学校の成績はオール1でも、入試で合格点を取れれば、希望する大学には入学出来ます。なので、定期テストや評定(通知表)でモチベーションをかけることが難しくなるのです。「僕は一般入試だから学校の勉強は関係ないんだ」といって、低空飛行の成績に蓋をしている高校生は少なくありません。

では、どうしたら上手く彼らにモチベーションをかけることが出来るでしょうか?

それは、やはり中学生と同じように、学校の成績から自分の現在地を理解させて、目標設定することではないかと思います。

大学の合格実績はどこの高校も公表していると思います。それを見れば、全体の何%程度の生徒がどのレベルの大学に受かっているかは(推薦も含めて)、大まかに把握出来るはずです。以下、それを用いた指導例になります(実際の私の経験からです)。

  • (例1)A君は中央大学に興味を持っています。A君の高校からGMARCH以上の偏差値の大学に学年の30%程度が受かっているのであれば、まずは定期テスト(または評定平均)でそこに入ることがA君の目標になります。
  • (例2)Bさんは同じく中央大学に興味を持っています。しかし、Bさんの高校からは学年の数パーセントしかGMARCH以上の偏差値の大学には合格していません。ただし、そのレベルの大学の指定校推薦はいくつか来ています。Bさんには、学年またはクラストップ3を目指そうと発破をかけていきます。

いかがでしょうか?

高1生の場合は、現在地もよくわからず、目的地もわからず、ただフラフラと彷徨っているという生徒も多いです。
その羅針盤として、せっかく年間4~5回もある定期テストを使わない手はありません。
学校の定期テストに軸足を置いた高校部は、まさにそういった生徒さんのためにあるのだと考えます。

まずは『滞留率100%の高校部』を目指して頂くことが、生徒さんの将来の選択肢を広げることに繋がる…と私は思っています。

いかがでしたでしょうか?
今回も、最後までお読み頂きありがとうございました。
次回配信もお楽しみに!